「like」

f:id:hitsugi38:20160922125646j:plain

 


「『好き』の思いが形になる」

 


この絵では虹色のグラデーションに挑戦しました。グラデーションは色数が多くなればなるほど大変ですし、絵の具が乾く前に次の色を重ねなければいけません。
さらに人物などは避けて塗らなくてはいけないのでかなり苦労した覚えがあります。
何度も塗り直したせいでこんなに鮮やかな色になっているのだと思います。


ただ、一色で塗るときもムラが出来ないように気をつけなければいけないので大変さとしては同じぐらいな気はします。

デジタルだとレイヤーがあるので人物を気にせず塗れますし、グラデーションもとても簡単なのですが……


また、白抜きにも挑戦しました。白抜きされているところは色鉛筆で線を描いています。黒い鉛筆だと境界がはっきりしてしまうからです。

白抜きは色を付けたくない部分に絵の具がはみ出ないようにすればいいだけなので本来それほど難しくないのですが、この絵はグラデーションをつけつつ白抜きをしなければならないため、結構大変でした。

マスキングインクがあれば簡単にできるのですが、当時は持っていなかったので苦労しました。


白抜きしつつ、鹿の角など重なっている部分は色を塗ることで、どんなモチーフか、どういう構造になっているかをはっきりさせているのですが、どうせ色を重ねる部分を作るのなら、もっとモチーフ同士を重ねた方が面白い画面になったと思うのでそこが反省点です。

 

とても昔の絵なのですが、現在と絵柄が大きく変わっていない気がします。今見てもこの絵は可愛らしく描けたとは思うのですが、成長していないと考えると複雑な気分です。

 


実はこの絵は手元に残っていません。理由は忘れてしまいました…
先ほど、鮮やかな色になっていると言いましたが、スキャンした時に元絵より鮮やかに読み込まれたので、本来はもう少し彩度が低いはずです。しかし、今となっては確かめる術もなく……

割と気に入っている絵なので、手元にないのが本当に惜しいです。

その代わり、下描きは残っていました。

f:id:hitsugi38:20161101230250j:plain

かなり丁寧に描いていますね…「Lost」の時とは大違いです。

もしかしたら、このまま鉛筆描きで終わらせるつもりで、はじめは色を塗る気はなかったのかもしれません。全く覚えていないですが…

 

 


この絵はバレンタインの時期に描いたもので、「好き」というテーマから、好きなモチーフを詰め込もうと考えていました。
ですが、何を描くか、これが案外思い浮かばず、友人にモチーフのアイデアを貰ってこのような形になりました。なのでモチーフひとつひとつに深い意味があるわけではありません。


鹿の左上あたりの人間のような姿は、「零 〜月蝕の仮面〜」というホラーゲームに登場する亞夜子という女の子です。とても可愛くて好きな子なので絵に入れたのですが、今思えば、白抜きしたら誰か全然わからないし、もっと万人に伝わるモチーフにするべきだったなあと思います。


右側の女の子はうちの子ことみやたんです。本来は緑色の目なのですが、バレンタインということで恋愛の色であるピンクにしています。

手に持っているのはボウルで、チョコを溶かしてます。これもバレンタイン要素です。そのチョコが魚になって泳いでいくのはこの絵を描こうと思った時にまず考えついた気がします。

 


初期の絵だからなのかもしれませんが、自分の絵の中では割と意味を持たせてない部類に入ると思います。


でも、「好き」ってそんなものだと思います。好きだから好き、それ以上の理由なんて無理に考えなくてもいいと思うのです。

「Lost」

f:id:hitsugi38:20160908131625j:plain

 

 

「何を失ったのか、それすらわからないの」

 

 


この絵はライラックという絵の具の色に惹かれて、紫の絵を描きたいと考えていたときに思いつきました。


また、ドリッピングをしたかったという理由もあります。
リッピングとは筆に絵の具を含ませ、振って絵の具を画面に飛ばすという技法です。これをするだけで絵が華やかに見えるので、他の絵でも多用しています。あとストレス発散にもなります。ただし、ドリッピングをするときはお洋服などに飛び散らないように気をつけましょう…

リッピングは筆に含ませる絵の具と水の配分が難しいなあと個人的に思っています。水分が少ないとそもそも絵の具が飛ばなかったり、水分が多いと紙に色が乗らなかったりするからです。この絵のドリッピングは正直、今まで描いてきた絵の中で一番綺麗にできてると思います。色のフチが綺麗に出ているので。常にはこの絵のようにならないので、修行が足りないなあと思います。


この子の足は骨格としては明らかにアンバランスなのですが、落書きをしていたときにこれだ!と思ったのでそのままトレースして塗っています。折れそうなくらい儚い感じにピンときたのかもしれません。


髪の毛にところどころピンクが混じっているのは、全部茶色で塗ってしまっては味がないなあと思ったからです。塗っている途中に思いつきで色を変えて見たのですが結果的にいい感じになりました。挑戦は大事です。




この絵のテーマは「喪失感」です。


タイトルが「Lost」で過去形なのは、「lose」より語感が良いからです。Lが大文字なのも、文字のバランス的な面で決めたので深い意味はありません。


この子が何を失ったのかはわたし自身決めていません。わたしは普段は設定を細部まで決めているタイプなので、わたしにしては珍しいです。一応喪服のイメージではあるのですが、ミニハットを被っていたりそもそも紫の服だったり、完全な喪服ではありません。雰囲気だけです。


持っているぬいぐるみは幼さの象徴ですが、ちょっと血のような色で汚れているのは何故なのかはこれも決めていません。



ですが、芸術というものは、作者が細部まで決めてしまって、見る側が想像したことが正解や不正解になってしまうようではいけないように思います。自由に想像できるからこそ芸術には価値がある、そんな気がするので、絵を描く際には気をつけたいところです。

わたしの絵が芸術という域まで達しているかと言われたらそうではないと思うのですが、意識することは大事ですから…


ただ、わたしも見る側としては、作者がどんな意図で書いたのか細部まで知りたいので、場合によりけりな気もします。

 

 

ちなみにこの絵のラフはこんな感じです。よく捨てずに残してたなあ自分…

f:id:hitsugi38:20160908130907j:plain


一瞬の感情を絵にしたものですし、全然細部まで設定を決めてないですが、今でもお気に入りの絵です。何かを失ったぽっかり感が表せた絵だなあと個人的には思います。



日常の中で特に何か起こったわけでもないけれど、喪失感を感じることってあると思います。特に、夜だったり、一人でいると。

 

f:id:hitsugi38:20160901154408j:plain

 


「福を呼ぶ者が幸福かと言われたら、決してそうではないかもしれない」

 



この絵はおそらく、初めて透明水彩を使って描いた絵です。

 


どうやら、にじみの技法などを本で読んで、自分でも挑戦したようですね。
背景はふんわりと色が広がるようにしていますが、だるまさんはわざと色のフチが残るように塗ってた記憶があります。
水の量もちょうど良さそうですし、だるまさんのお目目には赤を差して色を丁寧に使っていて、初めてにしては上出来だなあと思います。


この女の子は神様の見習いです。福を呼ぶということで「ふく」にかけてフクロウちゃんという設定です。神社などでもフクロウのお守りとかありますよね。白は神聖な感じがするのでこの子は白いフクロウにしました。だるまの方も、縁起物ということでセレクトしてます。ちなみに、フクロウちゃんは神道系の神様のイメージだったのですが、本来だるまは仏教の一派、禅宗が由来だということを後で知りました。でも現在では宗教を超えて親しまれているので大丈夫です、多分。

 


神様は、毎日毎日誰かの願い事を聞いて叶えなければいけない存在です。けれど、それはあまりにも可哀想な生き方ではないでしょうか。でも神様だから、きっとそんなことすら思ってはいけない。神様は心の底から誰かの願いを叶えることが、使命であり幸せだと思わなければならないのかなあ、と思いながら描いてました。


この子は見習いなので、そのような生き方を身につけている途中です。彼女はまだ自分の生き方に疑問を感じていません。だから笑っているのです。そのまま何も疑問に思わずに生きていてほしいような、でも本当にそれでいいのか、そういったことを考えていただけたらなあと。

 


だるまさんは彼女の唯一のお友達です。神様は神聖な存在になるために、成長途中で周囲の悪いものに惑わされないよう、なるべく外界との接触をしてはいけないという設定です。そんな中、このだるまさんは神様のお守り役のような存在で、唯一、代々の神様の成長も見守っています。

今まで色んな神様を見てきているので、心の中ではフクロウちゃんは今後どうなるのかと気にしているのですが、それを表には出しません。ぶっきらぼうさんです。フクロウちゃんの方も、だるまさんの上に座っているくらいなので扱いとしては雑です。でもいなくなったら困ります。そのくらいの関係がかわいらしいなあと思います。

 


神様だって、人間とそんなに変わらないと思います。わたしは、人間だけでなく神様も幸せであってほしいです。